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夫婦は年老いても一緒に暮らして、共通の時間を大切にしたいと願っていたが、老老介護に疲れ果て、夫が老人ホームに入居することになってしまった。 妻は自宅で一人暮らしとなり、それぞれ寂しさを味わっているが、なんとかしてこの生活を改善できないか考えることにした。 ホームでは家族はいつ来てもよいと言ってくれるが、毎日行くのも介護士の仕事の邪魔になるといけないので、原則として2日おきに夫を訪ねることにした。 夫はホールでのアクティビティを楽しみにしている。 その時間を避けて、夫の個室でお茶を飲んだり、果物をいただいたり、CDの音楽を聴いたり、テレビを見たり、家での生活を再現している。 たまにはお弁当を持っていって、ホールで皆さんと一緒に食事をすることもある。 私にとっても一人で食事をするよりも楽しい。 天気の良い日は散歩に連れ出すが、周囲は坂の多いところなので、玄関前で日光浴をする程度しかできない。 娘が来たときは一緒に近くの果樹園などに足を延ばす。 娘が車で来てバラ園ぐらい連れて行きたいと言ったが、看護師たちに普通の乗用車に乗せるのは危ないと止められた。 病院への通院もあるが、民間の介護タクシーに頼むと介護料や待ち時間も加算されるので、高い費用がかかる。 在宅介護をしている時、社会福祉協議会の車いす移動サービスを利用していたので、問い合わせると老人ホームのある地域の社会福祉協議会に頼めと言われる。 ホームの施設長に入居証明をいただき、住所を変更してやっと社会福祉協議会のボランティア・サービスを受けられるようになった。 安い実費で病院やコンサートに連れて行かれるので有難い。 お正月には家族での外食に夫も連れて行かれるように、案を練ってみようと考えている。 夫はこうして施設内ではいろいろなイベントに仲間と参加できるし、家族との交流もできるので、精神的に落ち着き、脳も活性化され、最近では周りの人に対する配慮もできるようになった。 昔のことを思い出すと、涙ぐんで喜ぶこともある。 私も夫の介護に神経をすり減らすことがなくなったので、自分自身の生活の向上を図れるようになった。 今まで家事に手が回らなかったが、家具を磨いたり、床にワックスをかけたり、庭の手入れもでき、少し豊かな気分になれる。 ホームの入居料が嵩むので、私の生活は切り詰めなくてはならないが、私もなるべく人との交流を大事にしている。 教会での人との交わりは貴重で、いつも有難いと感謝している。 医療協同組合にも入会してみた。 一人暮らしは健康がすべてであるから、月に一回集まって体の検査をしていただくのは安心なものである。 今まで家族と共にいて家族に頼っていたが、これからは一人の時間を楽しむ手段を考えなくてはならない。 読書、俳句、ラジオ、テレビ、翻訳、散歩、など自由に選択できて、お金をかけずに楽しむ方法はたくさんある。 気持ちを切り替えて、夫と別居しながら、ともに前向きに歩んでいこうと思う。 |
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